重要なお知らせ

肺がんの放射線治療

肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。
進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れなどにのって転移することもあります。
転移しやすい場所はリンパ節や、肺の中のほかの部位、骨、脳、肝臓、副腎です。
肺がんは手術で取りきれる場合手術を第一選択としますが、病状や患者さんの状況により、放射線単独で根治を目的とした照射を行う場合や、放射線と化学療法を併用した治療を行う場合があります。

放射線治療の種類

外部照射

外部照射とは、リニアック(直線加速器)という放射線治療装置を用いて、高エネルギーのX線や電子線を体の外から照射する治療法です。
当院では、早期の非小細胞がんの根治を目的とした定位放射線治療(ピンポイント照射)と、手術ができない肺がんに対して化学療法と併用して行う強度変調放射線治療(IMRT)とが可能です。

  • 肺がんのピンポイント照射(呼吸同期定位放射線治療)
    胸の動きで呼吸を見て、息を吐いたときのみ放射線治療(絞り込んだ範囲)様々な方向から放射線治療を行います。
    リンパ節転移のない5㎝以下の非小細胞肺がんに適応します。
    1回12Gyの照射を4~5回のスケジュールで行う治療が多く治療が多く、1回あたりの治療時間は40分程度です。
    手術と同様な生存率が得られる報告があります。
  • 肺がんの強度変調放射線治療
    縦隔の中で進行した、手術ができない肺がんに対し、抗がん剤と併用で強度変調放射線治療(IMRT)を行います。
    IMRTは、腫瘍に対しては多くの線量を照射し、正常組織にかかる放射線量を減らす照射が可能です。
    従来危険とされていた両肺門に進展したがんに対する治療もIMRTによって可能となりました。
    1回2Gyの照射を30回(週5日で6週間)行います。

  • YouTube『ドクター伊丹 放射線治療医のがん情報チャンネル』(※YouTubeへ遷移します)

    ▲「【肺がん】初期症状の見つけ方と新たな治療法」

放射線治療科(新松戸高精度放射線治療センター)